今月は災害対策と、災害が起こった場合の注意点について紹介したいと思います。
浄化槽が地震や洪水等により被災した場合、生活排水が垂れ流しとなったり、トイレの使用が不可能となったりするなど、環境や公衆衛生、社会活動に重大な影響が生じる恐れがあります。
◆住民(浄化槽管理者・設置者・使用者)における取り組み
①災害時には家屋・建屋と同様、浄化槽も被害を受けることを認識する。
②適切な使用方法で使用する(浄化槽法施行規則第1条(使用に関する準則))。
③定期的な保守点検・清掃を実施する(浄化槽法第10条(浄化槽管理者の義務))。
④保守点検ならびに清掃の記録票について、災害発生時にも参照可能なように保管する。
⑤法定検査結果について、災害発生時にも参照可能なように保管する。
⑥災害時における被害状況の確認を妨げないよう、浄化槽周辺を整理整頓する。
⑦災害時、住民(浄化槽管理者・設置者・使用者)自らが暫定的に浄化槽(水洗トイレ)の使用の可否について判断することを認識する。
※このうち⑦については、発生した災害規模が大きい場合、通信網、交通網等が麻痺する可能性がある。
これにより、浄化槽の保守点検・清掃業者等、浄化槽に関する技術者が被災した浄化槽に赴き、被害状況の確認を行えないことが想定される。併せて、浄化槽に関する技術者が被災する可能性もある。
このような事態であっても、生活に伴いトイレ排水等が発生する。したがって、これらの生活排水処理を担う浄化槽の安全性、ならびにその使用の可否については、その浄化槽の使用者(住民等)が暫定的に判断する必要がある。
◆浄化槽をお使いの方へ
大きな地震(震度6以上)・浸水(床下浸水以上)がおこったら、①~④の事項の状況を確認し、浄化槽が使えるか確かめて下さい。
①漏電の恐れが無いか
※漏電ブレーカーが作動していたら電気保安協会か保守点検業者に連絡して下さい。このまま電気を使うと感電や火災発生の恐れがあります。
②浄化槽のブロワ
・コンセントボックス、ブロワが水没した形跡がある。
・コンセントに差さっているのに動いていない。
・電源ケーブルが切れている。
・作動音がいつもよりうるさい。
・空気配管が外れたり、壊れている。
※該当した項目があれば、ブロワのコンセントを抜き、保守点検業者に連絡して下さい。
③流入管・浄化槽本体からの汚水漏れ
・流入管が外れていたり、流入管や浄化槽本体の周囲で水が漏れている。(出来れば水を流して確かめます。)
※不衛生な水が地下に浸透していますので、浄化槽を使用せず、保守点検業者に連絡して下さい。
④消毒が行われているか
放流側のフタを開けてみましょう。
ネジのような部分を10円硬貨などで「開」の方に回すとロックが解除されます。
・白い錠剤が入った筒(薬剤筒)が倒れている。
※薬剤筒が立てられない・見当たらない(消毒できない)場合は、浄化槽を使用せず、保守点検業者に連絡して下さい。倒れていても立てることができれば問題ありません。
ただし、上記の確認事項は大規模な事故の発生を防ぎ、最低限の公衆衛生を確保するための限定的な内容となっており、浄化槽全体の被害状況を把握するためには不十分です。
したがって、状況確認の結果がいかなる評価であったとしても、保守点検業者が詳細確認を実施するまでの間は暫定的な使用期間として取り扱うこととする。
一点も該当該当しないことが明らかな場合は、当該浄化槽は当面使用可能と判断する。反対に、一点でも該当した場合、または確認不可能な点があった場合は、その浄化槽は使用せず、速やかに住民が委託契約している保守点検業者に連絡しましょう。
もし災害が起こっても焦ることなく、安心・安全に浄化槽を使用しましょう(^_^)/
●ご不明な点がございましたら、お問い合わせください。
☎ 0120-70-1456